工楽松右衛門旧宅について

工楽松右衛門旧宅くらくまつえもんきゅうたくとは

平成30年(2018)5月に日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に追加認定された工楽松右衛門旧宅。
平成31年(2019)3月には、兵庫県指定文化財(史跡)に指定されました。

江戸時代、海運業の革新や港湾改修に尽力した工楽松右衛門の旧宅です。初代松右衛門の功績を記す資料を展示しているほか、200年の歴史を誇る巨大な梁や複雑な柱組など、建築当時の技術を間近で見学できます。平成30年(2018)6月より一般公開しており、松右衛門の歴史や建物で当時を体感できる施設です。

日本遺産ポータルサイトについては、下記のボタンよりご覧ください。

北前船公式サイトについては、下記のボタンよりご覧ください。

工楽松右衛門旧宅の土地・建物は平成28年(2016)1月に工楽家から高砂市に寄贈されました。経年による破損が進んでいたので、可能な限り当初の建築様式に復元しながら、修理工事を約1年4ヶ月にわたり実施しました。

波打つように仕上げられた白い漆喰の軒裏、屋根には煙出しの「越屋根」、趣のある「舟板塀」、今では見られなくなった「ばったり床几(しょうぎ)」や「しとみ戸」など、見どころのある特徴が復元されました。

新井建設工業株式会社による全面改修工事の詳細については、下記のボタンよりご覧ください。

建物の概要木造本瓦葺き2階建 江戸時代後期の建物
敷地面積652㎡(197.23坪)
床面積1階9部屋 247.70㎡(74.93坪) 2階7部屋 124.95㎡(37.80坪)
特徴商店の名残の玄関土間
大きな土間吹抜
複雑な梁や桁の小屋組
平成28年1月に、史跡として市指定文化財に指定

工楽松右衛門とは

初代松右衛門(寛保3年~文化9年[1743~1812])は高砂町東宮町に生まれ、若くして兵庫津(神戸市兵庫区)に出て、船乗りとなります。のちに「御影屋」を名乗り海運業を営む一方、船の帆布を改良。丈夫で耐久性に優れた「松右衛門帆」を発明しました。

また、幕府や藩からの依頼を受け、択捉島や箱館(北海道函館市)、鞆の津(広島県福山市)など、全国の港湾改修に従事。文化7年(1810)には故郷の高砂へ戻っています。

工楽家について

二代目・三代目松右衛門も、地元高砂の港を改修し新田を開発するなど、初代の意思を継いで事業を行っています。

工楽家は、近代には砂糖の問屋などを営みながら、棟方志功などの文化人と交流し、居宅は文化サロンの場にもなっていました。

館内の見所と収蔵品の紹介

1F(通り庭、井戸、炊事場、ほか9部屋)

このフロアでは、「初代松右衛門の功績」を展示しています。

  • 初代松右衛門の業績・功績
  • 初代松右衛門の解説に加え、工楽松右衛門旧宅建物の特徴について映像説明

工夫を楽しむ初代松右衛門

初代松右衛門は、港湾整備にあたり、自ら考案した工事船を導入して各地の港の工事を完遂しました。

施設内には、工事船の模型を展示しています。

松右衛門が発明した工事船「杭打船」(大蔵永常 農具便利論より)

工楽家の家紋入り提灯箱

さまざまな大きさの工楽家の家紋入り提灯箱。

施設には、提灯箱以外にも工楽家の家紋がいくつかあります。隅々までじっくりと目を凝らして探してみてください。

おくどさん
展示スペース(靴を脱いでお上がりください)

2F(7部屋)

このフロアでは、「高砂での松右衛門の活動」を展示しています。

  • 高砂湊の築港
  • 加古川舟運と堀川
  • 高砂と工楽家二代目、三代目の仕事

越屋根と洋風壁

外から見回しても見つけられない越屋根と、建物の外観からは想像できない洋風壁が、工楽松右衛門旧宅にはあります。

見学することはできませんが、どこにあるか想像して館内を散策してみてください。

2階の覗き窓から眺める

建物を支える大きな梁や建築工法を間近で見ることができます。

覗き窓は2箇所あるので探してみてください。

近代の引札(広告)と船号表
江戸時代の古文書